Review

RNA合成生物学

Nature Biotechnology 24, 5 doi: 10.1038/nbt1208

RNA分子はほかの核酸、タンパク質、および低分子と相互作用することによって重要で多様な調節的役割を細胞内で担っている。こうした持ち前の多機能性に触発され、研究者は新たな生物学的機能をもつRNA分子を作製してきた。ここ2年の合成生物学分野の取り組みにより、in vivoでの遺伝子発現の調節を可能とする新たな合成RNA装置が主として細菌および酵母で作製され、拡張性をもつプログラム可能な細胞挙動の基礎が整った。コンピュータ技術および定向進化技術を用いて人工的RNAシステムの複雑さを増大させる方法を見極めることは、こうしたシステムを哺乳類系に拡張する方法を定めることとともに、この新たな分野が直面している問題である。さらに、細胞内および環境の刺激に対するセンサー、生物学的ネットワークの挙動を検討するためのプローブ、および人工的細胞制御システムの構成要素となるRNA分子の設計も課題である。

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