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DNAを利用した蛍光ナノバーコードによる病原体DNAの同時検出

Nature Biotechnology 23, 7 doi: 10.1038/nbt1106

分子を迅速、特異的に高感度で同時検出する方法は、遺伝子解析、薬物選別、臨床診断および環境分析の分野で強く求められている。同時分析では、別々のラベルまたは「コード」を用いて特異的な反応のそれぞれを識別することが難関のひとつである。現在利用されているコード化方法は2種類ある。このうち位置コード化は、可能性のある反応すべてにDNAマイクロアレイのような固相支持体の特定の位置を事前に割り当てるものである。一方の反応コード化は、可能性のある反応すべてをコードで一意的に識別するもので、光学または粒子を利用したコードが用いられる場合が多い。現在のコードはマイクロメートル大で多分散性があり、作製工程が複雑で生体適合性がないため使用しやすいものではない。本論文では、デンドリマー様DNAを利用した蛍光強度コードによるナノバーコードを合成したことを示す。このナノバーコードは分子認識用の一体型コードおよびプローブを備えている。複数の病原体のDNAを同時検出するときにこれが利用可能であることは、まず蛍光顕微鏡およびドットブロット法で示され、さらにフローサイトメトリーによる高感度(10-18モル)な迅速検出でも裏づけられた。

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