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オリゴヌクレオチドを検知するアロステリックリボザイムのコンピュータによる設計および実験による検証

Nature Biotechnology 23, 11 doi: 10.1038/nbt1155

アロステリックRNAは、リガンドの結合に応答して折りたたみおよび機能を変化させる分子スイッチとして作用する。天然型アロステリックRNAに多くみられるのはリボスイッチであるが、RNA工学を用いればこれと類似した特性をもつ特別なRNAを作製することができる。本論文では、オリゴヌクレオチドの結合が引き金となるアロステリックリボザイムをコンピュータで設計する方法を示す。AND、OR、YES、NOTのブール論理の機能をもつ4種類の普遍的なRNAスイッチをモジュール形式で作製することにより、リボザイムの触媒活性中心を変形させずにリガンド特異性を変化させることが可能となる。コンピュータで設計したアロステリックリボザイムは、すべてin vitroで合成して実験による確認を行った。作製したリボザイムは活性が1000倍以上に向上し、正確なリガンド特異性を示すとともに、あるRNAの自己切断産物が別のRNAの作用を引き起こすタイプの分子回路で機能した。この作製方式は、複雑な分子回路、核酸検出系、および遺伝子調節因子を構築するためのアロステリックRNAを迅速かつ安価に作製する方法をもたらすものである。

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