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黒色腫患者の樹状細胞の磁気共鳴追跡による細胞療法の監視

Nature Biotechnology 23, 11 doi: 10.1038/nbt1154

細胞療法では細胞を標的器官に正確に送達することが成功を左右する要因のひとつと考えられる。特に樹状細胞療法で免疫系を効果的に刺激するためには、所属リンパ節への細胞の送達および遊走が不可欠である。本論文では、ヒトを対象とする磁気標識細胞のin vivo磁気共鳴追跡に詳細な解剖学的情報を組み合わせることにより、きわめて少数の樹状細胞が検出されることを示す。自己樹状細胞を臨床用超常磁性酸化鉄製剤または111In-オキシンで標識し、超音波誘導で黒色腫患者に節内同時投与した。シンチグラフィー画像法と異なり、磁気共鳴画像法(MRI)では樹状細胞送達の精度および節間・節内細胞遊走パターンを評価することができた。酸化鉄を用いたMRI細胞追跡は臨床的に安全で、ヒトの細胞療法の監視に好適であると考えられる。

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