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植物ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼに対する単鎖抗体によるウイルス抵抗性の付与

Nature Biotechnology 22, 7 doi: 10.1038/nbt983

ウイルス病による作物の損失は今日なお農業上の主要問題である。本論文では、植物ウイルス複製の鍵酵素であるRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の保存領域に対する単鎖Fv断片(scFv)の発現によってウイルス抵抗性を付与する方法を紹介する。選抜したscFvは、異なる植物ウイルス由来のRdRpによるin vitroでの相補的RNA合成および植物体内でのウイルス複製を阻害した。さらにこのscFvは、遠縁のC型肝炎ウイルスのRdRpにも結合した。異なるscFvを細胞質または小胞体で発現するNicotiana benthamiana形質転換系統のT1およびT2世代は、属の異なる植物ウイルス4種類(うち3種類はトンブスウイルス科に属する)に対して多様な抵抗性を示した。RdRpに対する抗体によるウイルス抵抗性の付与は、植物ウイルス対策のレパートリーに新たな手段を加えるものである。

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