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張力のかかった細胞の代謝が速い理由

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200535

原文:Nature (2020-02-27) | doi: 10.1038/d41586-020-00314-y | Tension in tumour cells keeps metabolism high

Nadia M. E. Ayad & Valerie M. Weaver

腫瘍は正常組織よりも硬いことが多く、グルコース代謝が異常に速い。今回、こうした2つの特徴の間には関係があり、細胞のタンパク質繊維のネットワークの張力が関与していることが分かった。

ヒトの皮膚細胞(線維芽細胞)の共焦点顕微鏡画像 赤く染まっているのがアクチン(青は核、緑はチューブリン)。 | 拡大する

vshivkova/iStock/Getty Images Plus/Getty

細胞や組織の張力は、生物の発生や恒常性の維持に重要な役割を担っている1。細胞の増殖、移動、分化など、張力によって調節される過程は、エネルギー要求性が高い。そのため、細胞の張力が細胞代謝も調節すること2は、おそらく驚くことではない。だが、その正確な仕組みは分かっていなかった。このほどテキサス大学サウスウェスタン医療センター(米国ダラス)のJin Suk Parkら3は、細胞を取り囲む細胞外マトリックス(ECM)の硬さが、アクチンと呼ばれる繊維状の細胞タンパク質の再編成を促進して、グルコースからエネルギーを産生する重要な代謝経路である解糖を増強する機構を明らかにし、Nature 2020年2月27日号621ページで報告した。また、この経路の変化が、肺腫瘍におけるグルコース代謝の上昇4につながる仕組みも示した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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