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張力のかかった細胞の代謝が速い理由
細胞や組織の張力は、生物の発生や恒常性の維持に重要な役割を担っている1。細胞の増殖、移動、分化など、張力によって調節される過程は、エネルギー要求性が高い。そのため、細胞の張力が細胞代謝も調節すること2は、おそらく驚くことではない。だが、その正確な仕組みは分かっていなかった。このほどテキサス大学サウスウェスタン医療センター(米国ダラス)のJin Suk Parkら3は、細胞を取り囲む細胞外マトリックス(ECM)の硬さが、アクチンと呼ばれる繊維状の細胞タンパク質の再編成を促進して、グルコースからエネルギーを産生する重要な代謝経路である解糖を増強する機構を明らかにし、Nature 2020年2月27日号621ページで報告した。また、この経路の変化が、肺腫瘍におけるグルコース代謝の上昇4につながる仕組みも示した。
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翻訳:三谷祐貴子
Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 5
DOI: 10.1038/ndigest.2020.200535
原文
Tension in tumour cells keeps metabolism high- Nature (2020-02-27) | DOI: 10.1038/d41586-020-00314-y
- Nadia M. E. Ayad & Valerie M. Weaver
- Nadia M. E. Ayad & Valerie M. Weaverは、Nadia M. E. Ayadは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校およびバークレー校(米国)の大学院生で、現在、カリフォルニア大学サンフランシスコ校に所属、Valerie M. Weaverは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(米国)に所属。
参考文献
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