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心血管疾患:LMNA変異が誘発する不整脈の原因となる機序が判明

Nature 572, 7769

ラミンAは核膜を支える骨格の成分の1つで、拡張型心筋症の5~10%の症例では、このラミンAをコードする遺伝子(LMNA)の変異が原因となっている。LMNA変異が関連する拡張型心筋症には心室性頻拍と細動が伴うが、LMNA変異が催不整脈作用の亢進に結び付く機序はこれまで不明だった。今回J Wuたちは、患者特異的な誘導多能性幹細胞由来の心筋細胞(iPSC-CM)を用いてこの疾患をモデル化することによって、LMNA変異がクロマチンの分布を乱し、その結果遺伝子の活性化に異常が生じることを明らかにしている。特に、PDGFシグナル伝達経路が活性化することが分かり、患者のiPSC-CMでPDGFRBの発現をノックダウンすると不整脈表現型が緩和されることも判明した。

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