Nature ハイライト

Cover Story:時間を巻き戻す:死後4時間たった脳で細胞機能が回復

Nature 568, 7752

哺乳類の脳は、酸素供給の変動に極めて敏感で、血流や酸素がわずかな時間途絶えただけで、細胞死や回復不能な傷害が生じることがある。今回N Sestanたちは、死後数時間たったブタの単離脳で、微小循環と細胞機能の回復を可能にする技術的プラットフォームを示している。このプラットフォームは、灌流デバイス、細胞を保護しニューロンの活動を抑える溶液、外科的処置からなる。BrainExと名付けられたこのシステムは、単離された脳に保護液を循環させる際に、正常体温での脈動血流を模倣するように設計されている。著者たちは、体外に取り出してから4時間経過したブタの脳にBrainExシステムを導入した。6時間灌流している間に、細胞死の減少と、シナプス活動を含む一部の細胞機能の回復が見られたが、全体的な電気的活動は見られなかった。著者たちは、この灌流システムを脳以外の臓器に使用することで宿主の死後に組織機能を維持できる可能性があると述べている。

2019年4月18日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度