Nature ハイライト

加齢:Pol III阻害が寿命を延ばす

Nature 552, 7684

ラパマイシンによるTORC1(target of rapamycin kinase complex 1)の阻害は、動物界全体において寿命を延ばす。TORC1はRNAポリメラーゼIII(Pol III)の活性を厳密に調節している。N Alicたちは今回、Pol IIIがTORC1の下流で機能して、酵母、線虫、ハエの寿命を制限することを示している。Pol IIIの分解を増やすと、培養系で酵母株の経時寿命が延長し、またPol IIIの発現を部分的に阻害すると、線虫やハエの個体寿命が延長した。線虫やハエの成体で寿命延長を達成するには、腸でのPol III活性の阻害だけで十分であった。ハエでは、腸幹細胞特異的なPol III阻害で長寿が達成された。このような長寿表現型は、加齢に伴う腸の病変や機能低下の軽減、タンパク質合成の減少、タンパク質恒常性ストレスに対する抵抗性の上昇に関連していた。

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