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加齢:RNAポリメラーゼIIIはTORC1の下流で寿命を制限する

Nature 552, 7684 doi: 10.1038/nature25007

真核細胞の核では、3種類のRNAポリメラーゼが異なる種類の遺伝子を転写している。RNAポリメラーゼ(Pol)IIIは、進化的に保存された必須の酵素で、tRNAや5S rRNAなどの短鎖ノンコーディングRNAを作り出す。タンパク質をコードする遺伝子の転写が長い間重視されてきたのに対して、生物個体の生理学的性質におけるPol IIIの役割は調べられていない。TORC1(target of rapamycin kinase complex 1)はPol III活性を調節し、寿命の重要な決定要因でもある。このことから、Pol IIIが加齢に関与している可能性が浮かび上がる。今回我々は、Pol IIIがTORC1の下流で寿命を制限することを示す。Pol IIIの減少が酵母の経時寿命や、線虫およびハエの個体寿命を延ばすことが分かった。線虫やハエの成体の腸でのPol III活性の阻害が寿命の延長に十分であり、ハエでは腸幹細胞特異的なPol IIIの阻害により長寿を達成できる。この長寿表現型は、加齢に伴う腸の病変や機能低下の軽減、タンパク質合成の抑制、タンパク質恒常性ストレスへの寛容の上昇と関連していた。Pol IIIはTORC1の下流で寿命に作用し、成体の腸でのPol III活性の制限により、全身でのTORC1阻害による寿命延長と同等の効果をもたらすことができる。従って、Pol IIIはこのような長寿のための主要な栄養シグナル伝達ネットワークの重要なメディエーターであり、Pol IIIの増殖促進性同化活性は、TORC1による加齢の加速を仲介する。Pol IIIは進化的に保存されていることから、治療標的として有望であるといえる。

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