Nature ハイライト

構造生物学:活性を持つRNAポリメラーゼIの構造

Nature 540, 7634

転写中の活性なRNAポリメラーゼI(Pol I)の構造はずっと得られていなかったが、今回ついに明らかになった。Pol Iは、リボソームの生合成の第一段階(リボソームDNAの転写)を触媒する酵素で、真核細胞の増殖を調節している。A Frangakisたちは、出芽酵母のPol Iの触媒活性を持つコンホメーションを、in vitroでの単一粒子低温電子顕微鏡法と、生理的条件に近い状態で細胞リボソームDNAを転写中のPol I像を観察する低温電子断層撮影法という2つの方法を使って決定した。得られた構造は、活性な酵素は活性中心が閉じたコンホメーションを採っていることを明らかにしていて、ポリメラーゼの縮まったコンホメーションが活性な状態に、広がったコンホメーションが不活性な状態に対応するという、転写伸長の一般的モデルを裏付けている。

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