Nature ハイライト

構造生物学:サルモネラのインジェクチソームの詳細な構造

Nature 540, 7634

ネズミチフス菌III型分泌(T3S)インジェクチソームの基部を構成する内膜リング(オリゴマーが集合している)と外膜のセクレチンについて、低温電子顕微鏡の高度な技術を使った実験により直接得られた原子構造が報告された。T3Sインジェクチソームは注射器型の高分子複合体で、細菌の毒性エフェクターを宿主細胞の細胞質へ直接、容易に送達できる。今回の研究は、集合状態にある基部について得られた高分解能構造を詳しく調べた最初の成果であり、T3S装置の作用機構研究の新時代の到来を告げるものとなりそうだ。

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