Nature ハイライト

構造生物学:CB1カンナビノイド受容体の構造

Nature 540, 7634

ヒトのカンナビノイド受容体CB1とCB2はGタンパク質共役受容体(GPCR)で、内在性カンナビノイドや植物のフィトカンナビノイドであるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)への反応を仲介する。これらの受容体は、その調整薬が痛みやてんかん、肥満のような障害を制御して治療に使える可能性があるため、重要な創薬標的となっている。D Rosenbaumたちは今回、阻害薬タラナバントと結合したヒトCB1受容体の結晶構造を決定した。この受容体の細胞外表面は、脂質で活性化される他のGPCRとは異なり、リガンド結合ポケットの重要な部分を形成していることが分かった。ドッキング研究により、このポケットがTHCと適合する仕組みと考えられるものが示された。今回の構造は、有望な治療薬となりそうなカンナビノイド系新規調整薬を探索する創薬の試みを助けるものとなるだろう。

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