Nature ハイライト

天文学:形成途中の惑星

Nature 527, 7578

LkCa 15系に代表される原始惑星円盤(想像図)。内側の何もない領域は、形成中の惑星が、通常は恒星に降着するはずのガスや塵を降着することによって生じていると考えられる。
LkCa 15系に代表される原始惑星円盤(想像図)。内側の何もない領域は、形成中の惑星が、通常は恒星に降着するはずのガスや塵を降着することによって生じていると考えられる。 | 拡大する

Credit: NASA/JPL-Caltech

これまでに発見・確認されている1900個近い系外惑星で、現在も形成過程にあるものは1つもない。おうし座の恒星系であるLkCa 15は、その原始惑星円盤中の環状の間隙、つまり何もない空間に赤外線源が検出され、降着を受けている惑星の存在が示唆されることから、大いに注目されている。S Sallumたちは今回、形成途上の惑星を探し、LkCa 15系の最も内側の伴天体(LkCa 15b)からのHα放射を、補償光学を用いて直接検出した。このHα放射は、高温ガス(約1万K)が、降着を受けている原始惑星のポテンシャル井戸に深く落下していることを示している。著者たちは、今回の知見を赤外データと組み合わせると、まぎれもなく惑星形成を示していると述べており、LkCa 15系によって惑星形成や円盤と惑星の相互作用を調べる理想的な機会が得られると結論付けている。

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