Nature ハイライト

材料化学:液体なのに多孔性の材料

Nature 527, 7577

ケージ状構造に組織化された分子からなる本質的に多孔性の材料は、使用に適した温度で固体であることが多い。空孔を持つ液化可能な剛直分子が数例報告されているが、液体は必然的に流動してあらゆる空間を埋めてしまうため、そうした分子も永続的な空孔を持つわけではない。今回N Giriたちは、高濃度の修飾されたケージ分子とクラウンエーテル溶媒からなる新種の「多孔性液体」を開発した。このケージ分子と溶媒を組み合わせることによって、埋まっていない状態の永続的な空孔が液相中で得られる。著者たちは、この自由流動性の多孔性液体が、メタンガスを非多孔性液体よりも高い効率で可溶化できることを示している。多孔性液体は、触媒反応、抽出、気体の捕捉と分離などに応用できる可能性がある。

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