Nature ハイライト

地球化学:海洋堆積物中に閉じ込められる北極の炭素

Nature 524, 7563

高緯度域の土壌と永久凍土には、大気中の2倍の炭素が含まれ、数千年間にわたって貯蔵されている。こうした有機炭素は、気候温暖化と永久凍土の融解によって分解が促進され、大気へ放出されることで、さらなる地球温暖化を引き起こす可能性があると考えられている。今回R Hiltonたちは、北アメリカ北極域最大の河川であるマッケンジー川における粒子状有機炭素の供給源、フラックス、行方を調べ、浸食された土壌の大量の炭素は二酸化炭素として急速に放出されるわけでないことを見いだした。炭素の多くは、河川に運ばれ、一部は最終的に沖合の海洋堆積物に埋没していて、こうした沖合の海洋堆積物が地質学的に重要な二酸化炭素シンクとなっている可能性があることが分かった。

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