Nature ハイライト

神経科学:喉の渇きを制御する神経回路

Nature 520, 7547

摂食行動の制御の基盤となる神経回路に関する報告は多数あるが、喉の渇きを制御する神経回路についてはまだよく分かっていない。今回、岡勇輝(コロンビア大学)たちは、マウスの脳弓下器官にある2種類の遺伝学的に異なるニューロン集団について報告し、一方の集団は喉の渇きと水分探索行動を引き起こし、もう一方は喉の渇きを抑制すること、またどちらの作用もマウスの水分摂取状況とは無関係であることを明らかにした。転写因子ETV-1の発現を特徴とする脳弓下器官の興奮性ニューロン集団を光遺伝学的に活性化すると、水分を十分に摂取したマウスであっても強い飲水行動が引き起こされた。また、小胞GABA輸送体(VGAT)を発現する第2の脳弓下器官ニューロン集団を活性化すると、喉の渇いた状態のマウスであっても飲水行動が強く抑制された。

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