Nature ハイライト

地球化学:水星をちょっと加えるだけ

Nature 520, 7547

A WohlersとB Woodは、硫黄に富み、水星に似た還元的な物質を初期地球に加えれば、サマリウム(Sm)/ネオジム(Nd)比がコンドライトよりも大きくなり、地球マントルで観測されている142Nd/144Nd比異常が生じ得ることを、高圧実験を用いて示した。この結果は、地球深部のマントルの「隠れた」ケイ酸塩貯蔵庫や、初期に形成された地球地殻の衝突アブレーションによる消失を仮定しなくても、こうしたことが起こり得るのを意味している。そして、硫黄に富んだ核はより多くのウランとトリウムを保持できたと考えられ、地球ダイナモを動かす熱源のかなりの部分がここから供給された可能性がある。

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