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生態学:魚を乱獲されたサンゴ礁の回復

Nature 520, 7547

インド洋チャゴス諸島のサンゴ礁を泳ぐ<i>Caesio xanthonota</i>の群れ。
インド洋チャゴス諸島のサンゴ礁を泳ぐCaesio xanthonotaの群れ。 | 拡大する

Credit: Nick Graham

世界のサンゴ礁の多くでは魚が乱獲されており、「サンゴ礁の危機」への解決策が広く求められている。今回、800を超すサンゴ礁の回復能を調べた研究で、漁獲が行われているサンゴ礁の83%では想定されるバイオマスの半分以上が失われており、重要な生態系機能への影響が深刻であることが明らかになった。漁獲から保護することで、魚類バイオマスは平均35年で十分に回復可能だが、最も劣化が進んだサンゴ礁では回復に59年を要すると見られる。著者たちは、劣化したサンゴ礁では、漁業規制と、海洋保護区が現実的でない海域での代替的な保全戦略とを組み合わせることで、極めて重要な生態系機能が維持され得ると結論付けている。

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