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動物行動学:チンパンジーは生まれつき攻撃的である

Nature 513, 7518

タンザニア、ゴンベ・ストリーム国立公園のチンパンジー集団「Kasekela集団」を支配する雄のFerdinand。
タンザニア、ゴンベ・ストリーム国立公園のチンパンジー集団「Kasekela集団」を支配する雄のFerdinand。 | 拡大する

Credit: Ian Gilby

ヒトに最も近縁な動物であるチンパンジーやボノボの研究は、ヒトの攻撃行動の進化の解明に大きな影響を与えてきた。しかし近年、チンパンジーに見られる暴力は主として人為活動の結果であるとする「人為的影響仮説」が唱えられ、チンパンジーやボノボでの研究の妥当性に疑問が投げかけられている。今回、アフリカ各地のチンパンジーやボノボに関する研究のメタ分析が行われ、チンパンジー同士の攻撃が、資源や配偶相手を獲得するための適応戦略の正常な産物として予測されるものであり、ヒトの存在の有無は関係していないことが明らかになった。

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