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ゲノム進化:シクリッドのゲノムに見られる適応放散のしるし

Nature 513, 7518

アフリカ大地溝帯の湖沼や河川に生息する約2000種のシクリッド類は、適応放散の典型例とされる魚類である。今回、大規模な国際共同研究で、アフリカンシクリッドの5系統に関してゲノムとトランスクリプトームの塩基配列解読および解析が行われた。そのデータから、他の魚類種と比較して遺伝子重複が極めて多いことが明らかになった。また、多くの非コードエレメントの多様化やコード配列の加速進化、オルソロガス遺伝子対への転移因子の挿入に伴う発現の多様化に加えて、新規マイクロRNAによる調節も認められた。ビクトリア湖に生息する近縁な6種の計60個体から得た配列解読データは、シクリッドの急速な種分化に、コードおよび調節変異領域にかかるゲノム規模の多様化選択が関連していることを示している。さらに、古代に数回あった純化選択の緩和の時期に、集団中に多型状態で存在していた変異(standing variation)が蓄積され、それらが多様化の促進に重要であった可能性も示唆された。

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