Nature ハイライト

幹細胞:成人糖尿病患者の体細胞を再プログラム化

Nature 510, 7506

1型糖尿病患者由来の細胞から樹立した胚性幹細胞株のコロニー。緑色(Tra1-60)と赤色(nanog)はそれぞれ多能性幹細胞で発現するマーカーである。
1型糖尿病患者由来の細胞から樹立した胚性幹細胞株のコロニー。緑色(Tra1-60)と赤色(nanog)はそれぞれ多能性幹細胞で発現するマーカーである。 | 拡大する

Credit: Bjarki Johannesson, NYSCF

これまでの研究で、成熟した細胞の核を未受精で未成熟な卵細胞へ移植する体細胞核移植(SCNT)によって、ヒトの胎児や新生児の繊維芽細胞(皮膚の細胞)から多能性幹細胞株を樹立できることが明らかにされている。今回D Egliたちは、SCNTによって、1型糖尿病の成人患者の皮膚細胞を含む成人体細胞から胚性幹細胞株を樹立するのに成功したことを報告している。著者たちはまた、幹細胞樹立の効率や胚発生能に影響するパラメーターを体系的に調べており、これは将来の治療への適用に向けてこの方法を改良するのに重要と考えられる。

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