Nature ハイライト

ナノ材料:単層カーボンナノチューブの新しい作製法

Nature 510, 7506

(12, 6)のカイラル指数を持つ単層カーボンナノチューブを示した図。
(12, 6)のカイラル指数を持つ単層カーボンナノチューブを示した図。 | 拡大する

Credit: Nanomaterials & Nanostructures Group, Peking University

単層カーボンナノチューブ(SWNT)は多くの優れた材料特性を示し、そうした特性はSWNTの厳密な構造に敏感に依存する。この構造と機能の関係を十分活用できるのは、構造的に純粋なSWNTが入手できる場合だけである。しかし、1種類のSWNTのみを作ることは、まだ相当に難しい。今回F Yangたちは、単一種類のSWNTのみを、固体タングステン–コバルト合金ナノ粒子を触媒として用いて、カイラリティー特異的に成長させる方法について報告している。この場合、タングステン成分により触媒構造が高温でも安定に保たれ、コバルトが効率的な触媒となる。この方法を最適化すれば選択性がさらに向上し、構造的に純粋なSWNT試料が得られると考えられ、こうした特異な材料の用途が広がり、実用化に向けて開発が進む可能性がある。

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