Nature ハイライト

細胞生物学:リン酸化ユビキチンはパーキンの活性化因子である

Nature 510, 7503

小型のタンパク質であるユビキチンは、翻訳後修飾での役割がよく知られており、それは他のタンパク質に結合して、その活性や安定性を調節することによっている。今回、ユビキチンがキナーゼであるPINK1の基質であることが示された。PINK1は、ユビキチンリガーゼであるパーキンと共に、劣性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子である。松田憲之(東京都医学総合研究所)たちは、ミトコンドリアの膜電位が低下した後、PINK1がユビキチンの65番目のセリン残基をリン酸化することを示した。次に、このリン酸化されたユビキチンはパーキンと相互作用し、パーキンもPINK1によってリン酸化される。これらの相互作用によって、パーキンの酵素活性の完全な活性化が可能になり、ミトコンドリアに存在する基質へユビキチンを連結できるようになる。

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