Nature ハイライト

Cover Story:外界を見る:昆虫から哺乳動物に至る動物の視覚系のコネクトミクス

Nature 500, 7461

電子顕微鏡を用いて再構築された視髄の379ニューロン。
電子顕微鏡を用いて再構築された視髄の379ニューロン。 | 拡大する

Credit: Chklovskii Lab & FlyEM project; Janelia Farm Research Campus

表紙は、再構築されたマウス網膜ニューロンの相互接続(青緑色の球;579,724個の接続中の112個)と接続マトリクス(p.168参照)の一部を三次元画像化したもの。今回3つのグループが、網膜をモデルに使って、個々のシナプスの接続レベルから遠距離にわたる樹状突起の相互作用に至る詳細な神経回路マッピングを行った。M Helmstaedterらは電子顕微鏡を使って、約1,000ニューロンからなるマウス網膜回路をマッピングした。その結果、新しいタイプの網膜双極性ニューロンが見つかり、視覚計算のための機構が示唆された。他の2つのグループは、古典的な神経計算モデルであるショウジョウバエ視覚系で、視覚動作検出の仕組みを調べた。竹村伸也(米国ハワード・ヒューズ医学研究所)らは、半自動の電子顕微鏡を使って視髄の基本的なコネクトーム(379のニューロン間で作られる8,637の化学シナプス)の再構築を行い、方向の選択性に一致する配線図とともに動き検出回路候補を明らかにした。M Maisakらはカルシウム画像化法を使い、T4とT5ニューロンの特定の亜集団がそれぞれ4つの主要な方向(前後上下)の動きのどれか1つに対応していること、またT4はON、T5はOFFのエッジに特異的であることを示した。

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