Nature ハイライト

構造生物学:スプライソソームの作用機構の解明

Nature 493, 7434

転写で生じたmRNA前駆体から発現に先立ってイントロンを除去する複合体であるスプライソソームのコア部分は、mRNA前駆体上に並んだ複数のRNA–タンパク質複合体で構成されている。Prp8は、このようなコア複合体の1つのU5 snRNPに含まれるタンパク質で、イントロンの切断が起こる活性部位を含んでいる。長井潔(MRC分子生物学研究所)たちは、U5 snRNPの集合因子Aar2と結合した大きなPrp8断片の構造を解明した。この構造から、スプライス部位が活性部位内部にはまり込む仕組みについての手がかりが得られ、真核生物のmRNA前駆体のスプライシング機構と細菌のグループIIイントロンのスプライシング機構は、進化上の起源が同一である可能性が裏付けられた。

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