宇宙：惑星の行く末を探る

原始惑星円盤の質量は、その来るべき運命に重要な影響を及ぼすので、必要な仮定がほかの方法より少ない新しい質量推定法があれば、こうした研究の手助けとなると考えられる。太陽系で惑星が形成されるには、太陽系誕生時に最低でもおよそ0.01太陽質量の円盤質量が、太陽系中心から約100天文単位内に必要だった。今回、うみへび座TW星の星周円盤に重水素化水素の基本的な回転遷移を見つけたことが報告された。このガスの分布は、水素分子の分布を反映しており、そのスペクトル放射から全質量を推測できると考えられている。重水素化水素の存在は、モデリングから得られるデータとあわせて、円盤質量が0.05太陽質量より重いことを示唆しており、これは太陽系と同じような惑星系を形成するのに十分である。うみへび座TW星は、300万〜1000万歳で、原始惑星円盤としては古いと考えられるが、惑星系に進化するにはまだ十分に若い。

目次へ戻る