Nature ハイライト

化学:ひねりの効いたアミド結合

Nature 441, 7094

アミド結合は、化学や生物学ではありふれた結合である。非環式化合物の場合、アミド結合は平面的であることが多い。しかし二環式橋頭ラクタムでは、アミド基は大きくねじれている。チェコの化学者R Lukešが1938年に発表した研究成果は、これらの「ねじれたアミド」のおもしろい特性への関心を呼び起こした。しかし、興味深いことは確かなのだが、その合成は困難であった。今回、谷耕輔とStoltsは、ねじれたアミド結合を含む化合物を初めて明確な経路で合成・単離し、X線結晶学的方法でその性質を調べた。今回の合成は、一般のアミド結合を形成する従来の経路を経ていない。今回の方法で合成された化合物が使えるようになれば、アミド結合の性質の解明が大きく進むだろう。

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