Nature ハイライト

神経:睡眠の調節

Nature 441, 7094

ショウジョウバエは睡眠研究のための遺伝的モデル系として広く認められている。ショウジョウバエには私たちが睡眠とよぶものとよく似た行動パターンがあるが、睡眠に独特の特徴的な脳電図変化や睡眠の階層などは見つかっておらず、ハエの睡眠が神経過程なのかどうか、もしそうだとしたらどのような神経基盤がかかわっているのかはわかっていなかった。この問題の解決は、遺伝子が睡眠に影響を与える仕組みの解明に向けた重要なステップである。今回、2つの研究グループがこの問題に取り組み、共に「きのこ体」とよばれる脳の一部が睡眠調節に関与していることを突き止めた。この知見によって、ショウジョウバエの睡眠は神経現象としてみることができるようになった。これはまた、学習や記憶といったきのこ体の既に知られているほかの機能と睡眠をつなぐものである。

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