Nature ハイライト

生態:相利共生ネットワークで重要となる数は?

Nature 487, 7406

相利共生的な生態学的ネットワークの入れ子構造とは、相利共生相手の少ない種(スペシャリスト)が一群の種と相互作用し、それらの種がさらに相利共生相手の多い種(ジェネラリスト)と相互作用する傾向のことであり、こうした構造が生物多様性を増進すると考えられている。植物と花粉媒介者との相利共生に関する59の実験データセットを用いた研究で、相利共生関係が増大すると競争の対称性が損なわれて生物多様性が通常低下し、入れ子構造は生態系機能の決定に重要ではないという意外な結論が導かれた。このモデルによれば、1つの種の生存確率を決定するのは、「その種が持つ相利共生的な結びつきの数」というもっと単純な指標であり、入れ子構造には副次的な作用しかなかった。

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