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考古:アウストラロピテクス類の移動を示す歯の記録

Nature 474, 7349

アウストラロピテクス類の移動を示す歯の記録
アウストラロピテクス類の移動を示す歯の記録 | 拡大する

Credit: Darryl de Ruiter

絶滅した動物種の行動圏および土地利用の習性を推測するには、どうすればいいだろうか。1つの方法は、歯の化石のストロンチウム同位体含有比を測定することだ。なぜなら、ストロンチウムの同位体比は、その動物が生存中にどこで水を摂取したかを示す優れた指標になるからである。この「水の痕跡」は、環境の地質によって決定される。南アフリカで出土したアウストラロピテクス・アフリカヌスおよびパラントロプス・ロブストゥスの化石標本に関するストロンチウム同位体研究によって、女性と推測される小型の個体は、男性よりも行動圏が広かったことが明らかになった。このことから、当時の女性には出生集団から離れて別の集団に加わる傾向があったが、一方で男性は出生地にとどまる傾向があったと考えられる。この行動特性はヒトおよびチンパンジーのものであり、大部分のゴリラおよびほかの霊長類では見られない。

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