Nature ハイライト

工学:グラフェン系フォトニックチップ

Nature 474, 7349

グラフェンは原子1個の厚さの炭素シートであり、多くの応用が見込まれる。特にエレトロニクス分野では、この材料はシリコン系素子の補完に使用したり、それらの素子と集積したりすることも可能であるために期待が大きい。占有面積が小さく広帯域の高速光変調器は、期待を実現する重要なデバイスの1つであり、その開発には多大な努力がなされてきた。今回Liuたちは、オンチップ光通信の分野で、大いに関心を呼びそうな、グラフェンの新しい可能性を実証した。作製されたのは、シリコンチップ上に集積したグラフェン系光変調器である。この新しい素子は、グラフェンシートのフェルミ準位の電気的調整に基づいており、1 GHzを超える周波数と幅広い動作スペクトルで、導波光の変調を実現した。たった25 µm2という面積は、この種の素子で最も小さい部類に入る。

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