Nature ハイライト

工学:転写法による高性能ナノスケール・トランジスタ

Nature 468, 7321

ガリウムヒ素やインジウムヒ素などの化合物半導体は、極めて優れた電子特性をもつが、加工コストが高いため、低コスト製造となるとそれ自体ではシリコンに太刀打ちできない。しかし、長く続いたシリコンエレクトロニクスの微細化は限界に近づきつつあり、別の手段でデバイス性能を向上させること、つまり化合物半導体をシリコン内に集積することに関心が集まっている。A Javeyたちは今回、極めて薄い単結晶インジウムヒ素層を、エピタキシャル転写法(大面積光電子デバイスの分野から取り入れた手法)でシリコン系基板上に貼り付けるという、新しい有望な方法を示している。この方法により、エラストマースタンプを用いてインジウムヒ素ナノワイヤをリフトオフしシリコン系基板に転写することで、デバイス性能の優れた薄膜トランジスタが作製された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度