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生化学:海底でのメタン変換

Nature 465, 7298

強力な温室効果ガスであるメタンは、海底堆積物中のメタン資化細菌(古細菌の仲間)や硫酸塩還元細菌によって大量に二酸化炭素に変換されて、大気中への放出が防がれている。この過程を支えている反応は「逆メタン生成(reverse methanogenesis)」とよばれ、本来ならば二酸化炭素をメタンに変換する古細菌の酵素、メチル補酵素M還元酵素(MCR)がエネルギー的に好ましくない「誤った」方向に反応を進めていると考えられてきたが、この仮説を裏付ける実験が今回報告された。Methanothermobacter marburgensis由来の精製MCRは、平衡状態下でメタンをメチル補酵素Mに変換することが示され、その速度はin vivoでのメタンの嫌気的酸化に対して見積もられるのとほぼ等しかったのである。

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