Nature ハイライト

工学:大規模停電はどうして起こったのか

Nature 464, 7291

2003年9月28日、シチリアを除くイタリアのほぼ全域が大規模な停電に見舞われ、インターネットも不通になった。Buldyrevたちは、この大停電を、近年世界のあちこちで相当数起こっている、似たような事故の典型例であると考え、複数の独立したネットワークを巻き込む故障のこのようなカスケード的広がりの仕組みについて調べている。意外なことに、分布度が広がると、相互依存ネットワークの偶発故障に対してより脆弱になることがわかった。これは、単一ネットワークで起こることの逆である。このことは、偶発故障が破滅的な結果とならないように、ロバストなネットワークを設計する際には、相互依存ネットワークの特性を考慮する必要があることを示唆している。

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