Nature ハイライト

宇宙:撮像された太陽系外惑星

Nature 464, 7291

大型望遠鏡を用いた近傍の星の撮像探査では最近、角度差分撮像法によって恒星 HR 8799を巡る3つの太陽系外惑星が明らかにされた。これらの3つの惑星よりも恒星に近い惑星を撮像しようとするなら、近傍の惑星からの非常にかすかな光は通すが、星の光は通さないコロナグラフ光学系と、散乱を制限するためのほぼ完全な波面が必要になる。米国カリフォルニア工科大学のジェット推進研究所のチームは、そのようなシステムが、HR 8799を対象として作動中であると発表している。このシステムは、パロマー山の200インチ・ヘール反射望遠鏡に取り付けられた、開口の直径が1.5メートルと小さいベクトル渦コロナグラフを使っている。これにより、HR 8799の3つの惑星すべてが検出され、最終的な雑音は減衰した星の光の光子雑音に近かった。この技術を地上に設置された大型望遠鏡やより小型の宇宙望遠鏡に実装すれば、HR 8799の3つの惑星よりも恒星に近い、非常に光の弱い太陽系外惑星の画像を得ることが可能になると思われる。

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