Nature ハイライト

生化学:アロステリック効果には動的変化も寄与している

Nature 462, 7271

アロステリックタンパク質の活性の制御は、活性部位とは別にあるアロステリック部位にエフェクター分子が結合してタンパク質の構造変化を起こし、特定のコンホメーションを安定化することによっていると考えられている。しかし新たな研究により、アロステリックタンパク質では構造だけによって活性が調節されているという見方は改めるべきで、タンパク質の動態変化が主な要因となる場合も多いことが示唆された。S-R TzengとC Kalodimosは、転写活性化因子でアロステリック効果のモデルとして使われることの多いカタボライト活性化タンパク質(CAP)に対するサイクリックAMPの結合の特性を調べた。意外にも、CAPは不活性なコンホメーションをとっている場合でも、自身の動態の変化によって、リガンド(DNA)と結合するように活性化される場合があることが明らかになった。

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