Nature ハイライト

遺伝:ヒトDNAメチローム

Nature 462, 7271

DNAの「5種類目の塩基」ともいえるメチル化シトシンは、哺乳類ゲノムに占める割合は小さいものの、遺伝子発現や発生などの細胞過程の調節に重要な役割を果たすエピジェネティック修飾の1つである。今回、哺乳類ゲノムにおいて、メチル化シトシンのゲノム規模での地図すなわち「メチローム」が、1塩基という解像度で初めて作製された。地図はヒトの胚性幹細胞と胎児繊維芽細胞のもので、トランスクリプトーム、ヒストン修飾、および複数の調節因子のDNA–タンパク質相互作用部位の解析とともに、今週号に掲載されている。この結果から、これら2種類の細胞間におけるメチル化パターンの重要な差異が明らかになり、多能性状態と分化状態では異なる遺伝子調節機構が働いている可能性が示唆される。

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