Nature ハイライト

宇宙:γ線バーストによる相対性理論の検証

Nature 462, 7271

遠方にある継続時間の短いγ線バーストGRB 090510を、フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡によって観測した結果から、アインシュタインの相対性理論の中心的な予測であるローレンツ不変性を検証する機会が得られた。これは、真空中での光速度が、どんな観測者からみても、光子エネルギーによらず同一になるというものである。ローレンツ不変性の破れを検証するカギとなるのは、光子の速度がエネルギーによって変化している可能性を調べることだ。光子速度の変化がほんのわずかであっても、宇宙論的な時間をかけて到達した光で変化が累積されれば、例えばγ線バーストの光度曲線の鋭い特性として観測できるはずである。GRB 090510のスペクトルには、少なくともプランク長の1.2分の1の限界まで、ローレンツ不変性の破れの証拠は見つからなった。この結果は、時空の量子的性質によって光速度が光子エネルギーとともに変化するという、量子重力理論に反している。

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