Nature ハイライト

物性:非破壊読み出し可能な強誘電体メモリー

Nature 460, 7251

不揮発性メモリーの代替技術が検討されており、情報を強誘電体層に記憶するFeRAM(強誘電体ランダムアクセスメモリー)が有望な候補となっている。FeRAMは、電力消費と耐久性という点でほかの不揮発性メモリー技術よりも優れているが、現在のFeRAMは、破壊読み出し操作と容量読み出しに起因する低いスケーラビリティーによって制限が加えられる。Garciaたちは、強く歪ませた薄いBaTiO3層(1〜3 nm)を用いることによって、そのような薄い試料でも巨大電気抵抗を検出できることを示している。これにより、その層を通るトンネル電流の検出が可能になるため、試料の分極状態を、読み出し操作で試料の分極状態を壊すことなく、読み出すことができる。ビットの物理的な大きさは、このようなデバイスで高密度(1平方インチ当たり約25 Gb)を実現できそうな大きさまで、スケールダウンできる。

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