Volume 460 Number 7251

Editorials

イラン国民の間に生じた市民権を守ろうとする運動には、政治とは離れた国際的支援が必要で、各国の学界、非政府組織などが力を貸すべきだ。

p.11

doi: 10.1038/460011a

地球の温暖化を阻止するため、二酸化炭素削減以外のさまざまな対策にも早めに取り組むべきだ。

p.12

doi: 10.1038/460012a

News

イタリアでまもなく開催されるG8では、アフリカの科学分野への支援は視野の外に。

p.16

doi: 10.1038/460016a

カリフォルニア再生医療機構(CIRM)の科学部門責任者が、改革を訴えて辞任。

p.17

doi: 10.1038/460017a

心臓の幹細胞治療の実用化への道のりはまだ遠いが、てがかりも。

p.18

doi: 10.1038/460018a

イタリアの科学者が、政府のヒト幹細胞研究への助成規制に反対して訴訟を。

p.19

doi: 10.1038/460019a

米国の魚類野生生物局が、温暖化で危機に瀕した生物の保護研究の基盤回復をめざした予算要求を。

p.20

doi: 10.1038/460020a

米国の新型インフルエンザワクチンの製造会社が、破産の危機に。

p.21

doi: 10.1038/460021a

英国防省が、気象庁の気候変動関連分野への予算を削減へ。

p.21

doi: 10.1038/460021b

News Features

核エネルギー:ハイブリッドな利益

p.25

核分裂施設に核融合装置を組み込めば、廃棄物の出ない原子力発電ができる可能性があるが、いまだに「机上の論」の域を出ないのはなぜだろう。

doi: 10.1038/460025a

大気科学:気候変動のかすんだ見通し

p.29

これまで温室効果ガスに気をとられて煤煙は見過ごされてきたが、最近、黒色炭素が大きな問題として関心を集めている。

doi: 10.1038/460029a

News & Views

発生生物学:細胞からみた再生

p.39

損傷を受けたサンショウウオの外肢から完全なものが再生される仕組みは知恵をしぼっても解明されず、研究者たちは途方に暮れてきた。今回、外肢の再生にかかわる細胞の詳細な検討から、細胞が自分の起源を思い出すことが再生には重要らしいとわかった。

doi: 10.1038/460039a

生物地球化学:気候に及ぼす植物の力

p.40

大気中二酸化炭素濃度は植生の型を制限し、そのため岩石が風化する際に起こる非生物的な取り込みにも影響が及ぶ。これは、中新世に二酸化炭素濃度がある値以下に下がらなかったことを説明する理由となる。

doi: 10.1038/460040a

免疫学:免疫記憶の代謝スイッチ

p.41

2つの治療薬は、細胞の代謝を変化させることで、T細胞とよばれる免疫細胞がもつ記憶を増強しているらしい。T細胞の代謝の変化は長寿命の免疫記憶を生み出すのに重要なのだろうか。

doi: 10.1038/460041a

ナノオプティクス:一緒に押し出される光子

p.42

光子はほかの光子とは相互作用しにくく、このことは、計算機に使うための完全な光トランジスターの開発におけるやっかいな問題となっている。しかし、ただ1個の分子で、光子と光子の間の相互作用を媒介できることがわかった。

doi: 10.1038/460042a

細胞生物学:そんなに「おかしくない二人」

p.44

細胞は分裂するたびに染色体末端が短縮される傾向があるので、活発に分裂を行っている細胞はこういう危険を冒していることになる。細胞分裂を促進するタンパク質群と染色体末端修復因子の組み合わせは、この問題を解決する賢い方法である。

doi: 10.1038/460044a

応用物理学:情報の漏洩

p.45

電子回路に広く使われている構成要素であるキャパシターはどんどん小型化しており、これを絶縁状態にしておくことは難しい。だが、これは必ずしも悪いばかりではないようだ。わずかな伝導性の存在はデータ記憶にぴったりの性質である可能性が出てきたのである。

doi: 10.1038/460045a

追悼:Robert Furchgott氏(1916〜2009)

p.47

一酸化窒素研究の先駆者で、ノーベル賞を受賞した薬理学者のFurchgott氏が亡くなられた。ご冥福を祈りたい。

doi: 10.1038/460047a

Articles

医学:ファンコニ貧血の誘導多能性幹細胞に由来する、疾患の修正された造血前駆細胞

Disease-corrected haematopoietic progenitors from Fanconi anaemia induced pluripotent stem cells p.53

doi: 10.1038/nature08129

発生:アホロートルの外肢再生では細胞がその由来組織の記憶を維持している

Cells keep a memory of their tissue origin during axolotl limb regeneration p.60

doi: 10.1038/nature08152

発生:テロメラーゼは標的遺伝子を含むクロマチンに会合してWntシグナル伝達を調節する

Telomerase modulates Wnt signalling by association with target gene chromatin p.66

doi: 10.1038/nature08137

Letters

宇宙:銀河 ESO 243-49にある太陽質量の500倍を超える中質量ブラックホール

An intermediate-mass black hole of over 500 solar masses in the galaxy ESO 243-49 p.73

doi: 10.1038/nature08083

物性:強誘電状態の非破壊読み出しのための巨大トンネル電気抵抗

Giant tunnel electroresistance for non-destructive readout of ferroelectric states p.81

doi: 10.1038/nature08128

気候:過去2,400万年にわたる大気中二酸化炭素の減少制限における陸生植物の役割

The role of terrestrial plants in limiting atmospheric CO2 decline over the past 24 million years p.85

doi: 10.1038/nature08133

地球:ファンデフーカ海嶺の下部地殻内部で拡大軸近傍にあるメルトシルの反射地震探査による画像化

Seismic reflection images of a near-axis melt sill within the lower crust at the Juan de Fuca ridge p.89

doi: 10.1038/nature08095

脳:ヒト視覚野における迅速な自然情景カテゴリー化の神経学的機序

Neural mechanisms of rapid natural scene categorization in human visual cortex p.94

doi: 10.1038/nature08103

医学:結核菌のアデニル酸シクラーゼによるマクロファージへのサイクリックAMP輸送

Cyclic AMP intoxication of macrophages by a Mycobacterium tuberculosis adenylate cyclase p.98

doi: 10.1038/nature08123

免疫:脂肪酸代謝の調節によりCD8 T細胞の記憶を増強する

Enhancing CD8 T-cell memory by modulating fatty acid metabolism p.103

doi: 10.1038/nature08097

免疫:mTORは記憶CD8 T細胞の分化を調節する

mTOR regulates memory CD8 T-cell differentiation p.108

doi: 10.1038/nature08155

発生:ヒトISL1心臓前駆細胞はさまざまな多能性心臓血管系細胞系譜を生み出す

Human ISL1 heart progenitors generate diverse multipotent cardiovascular cell lineages p.113

doi: 10.1038/nature08191

細胞:LIFシグナル伝達経路の並列回路が、マウスES細胞の多能性を維持している

A parallel circuit of LIF signalling pathways maintains pluripotency of mouse ES cells p.118

doi: 10.1038/nature08113

細胞:ショウジョウバエの全ゲノムサイレンシングで捕えられた保存されたアポトーシスエフェクター

Genome-wide silencing in Drosophila captures conserved apoptotic effectors p.123

doi: 10.1038/nature08087

細胞:多能性因子Oct4はCtcfと相互作用し、X染色体の対合と計数の制御も行う

The pluripotency factor Oct4 interacts with Ctcf and also controls X-chromosome pairing and counting p.128

doi: 10.1038/nature08098

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