Nature ハイライト

細胞:siRNAを特定の標的へ送達する

Nature 458, 7242

siRNA(短鎖干渉RNA)を用いた遺伝子サイレンシングが治療に使える可能性は、理論的には非常に大きい。しかし実際には、実用化されるまでに克服しなければならない問題がたくさんある。その1つが、標的組織へのsiRNAの安全な送達である。今回報告された新しい送達法は、この目的に向けた重要な一歩となりそうだ。マクロファージで酵素MAP4k4の発現を抑制するように設計されたsiRNAを、マイクロメートルサイズのβ1,3-D-グルカン粒子に封入し、マウスに経口投与した。封入されたsiRNAは、炎症性疾患の一般的なモデルであるリポ多糖誘発性炎症を起こしたマウスの生存率を高め、全身性炎症を抑制した。この方法は、これまでに報告されている全身へのsiRNA送達形態に比べて、in vivoで有効性が最大250倍にもなる。

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