Nature ハイライト

細胞:胚性幹細胞の基底状態を探る

Nature 453, 7194

胚性幹(ES)細胞の自己複製は、培地中に添加された外部の因子類によるさまざまな転写経路の活性化に依存していると一般に考えられてきた。今回、さまざまな細胞培養条件においたマウスES細胞の研究から、ES細胞の自己複製は外部からの方向づけに依存しておらず、分化を誘導する因子類の除去や、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3の阻害によって起こりうることが示された。これは、ES細胞の基底状態が自己複製状態であることを示唆している。つまりES細胞は、我々が通常の後生動物細胞に対して予想するような相互依存性よりも、単細胞生物の基底状態の方に近い自己充足性を示すということのようだ。

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