Nature ハイライト

宇宙:超新星の前駆天体をつきとめる

Nature 451, 7180

Ia型超新星は宇宙膨張の観測に使われる星の爆発である。こういう超新星は、宇宙に存在する鉄の大部分を生成するため重要なものだ。だが正確にはどんな天体が、どういう原因で爆発するのかはよくわかっていない。連星系をなす白色矮星は候補天体として可能性が高いが、前駆天体を突き止める間接的な方法はうまくいかなかった。R VossとG Nelemansは今回、2007年11月5日に爆発した超新星の前駆天体の直接観測について報告している。この超新星爆発の4年前にチャンドラX線天文衛星が撮影した画像の中から、超新星SN 2007onと全く同じ位置にある天体が発見された。チャンドラがこれまでに撮影した深部可視光画像アーカイブでは、この位置には何も写っていない。このことから、この超新星には、伴星から白色矮星に物質が降着しているとする降着モデルがあてはまりそうで、2つの白色矮星が合体したのではなさそうだ。

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