Nature ハイライト

生化学:エチレンシグナルを伝達する2つの経路

Nature 451, 7180

エチレンガスは主要な植物ホルモンの1つで、発芽、結実などの重要な過程を調節している。これまでの研究で、5つのエチレン受容体から1つの負の調節因子CTR1に合流し、さらに下流の2つの重要な因子EIN2およびEIN3へとシグナルが送られる直線的な経路が見つかっている。しかし、CTR1がどのようにして下流の正の調節因子を制御するのかは不明であった。今回、シロイヌナズナ(Arabidopsis)のエチレンシグナル伝達系で、MKK9を始めとするMAPキナーゼ(MAPK)を含むこれまで知られていなかった経路が、EIN3を介する転写を正に制御することが明らかにされた。つまり、CTR1とMKK9の拮抗する作用は、EIN3の安定性に対して正反対の作用をもつ2つのMAPKリン酸化部位を介して、エチレンシグナル伝達系の特異性や量的反応を決定しているらしい。

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