Nature ハイライト

細胞:早まって速く取り込む

Nature 450, 7170

細菌毒素の細胞内への取り込みの初期過程、つまり、膜の陥入段階に関する画像化研究で、陥入が積み荷によって誘導される機構が明らかになった。この誘導機構は、他の病原体の場合にも、またもっと一般的には、エンドサイトーシスなどの場合にも働いている可能性がある。志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)が産生する毒素であるシガトキシンのBサブユニットは、細い管状の膜陥入部を介して細胞内に入ることがわかった。シガトキシンは、管状の陥入が形成されるのに先立って、膜の再編成を引き起こす。細胞での膜陥入は、膜変形作用をもつクラスリンのようなタンパク質複合体とは無関係で、また胞内のエネルギーが欠乏した状態でも起こる。つまり膜の陥入は物理的原理によって自発的に起こり、込み入った細胞装置を必要としない。

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