Nature ハイライト

生理:ミトコンドリアのセンサー

Nature 450, 7170

栄養素を感知するセンサー分子mTOR(mammalian target of rapamycin)は、細胞の成長と増殖の調節にかかわるキナーゼである。mTORは細胞のエネルギー状態と密接にかかわっていることから、ミトコンドリアと相互作用している可能性が考えられるが、コンピューターゲノミクス研究によってこれが確かめられた。mTORは、転写調節因子PGC-1αとYY1を仲介役としてミトコンドリアの遺伝子発現と酸化機能を転写制御することにより、エネルギー代謝の均衡を保つ働きをしている。この経路の解明で、ミトコンドリアの働きがおかしくなる代謝疾患の治療に新たな道が開けるだろう。

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