Nature ハイライト

宇宙:超新星爆発の予行演習

Nature 447, 7146

2004年10月、銀河UGC 4904に明るい可視光トランジェント(一時的に出現する天体)が発見されたが、このトランジェントは超新星かと思われるほど大規模で明るかった。その後の研究で、そこまでの規模ではなかったことが示唆されたものの、発見からほぼ2年後に、派手な爆発を起こしたようである。超新星SN 2006jcの天球上の位置は、2004年の可視光トランジェントのそれとぴったり同じだった。このような二度の増光が観測されたのは、初めてである。可能性の1つは、最初のトランジェントが、急速に質量を失いつつある極めて高温の大質量星、ウォルフ・ライエ星の増光だったというものだ。あるいはこの系は、明るい青色変光星を含む連星系で、この変光星が2004年に爆発し、その2年後に伴星のウォルフ・ライエ星が爆発して超新星SN 2006jcになったとも考えられる。

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