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考古:ペルーにおけるトウモロコシ栽培の始まり

Nature 440, 7080

アンデス地方はインカ族までを含めた古代文明発祥の地として重要であるにもかかわらず、文明発達の礎の1つとなる農業の導入については、ほとんどわかっていない。だが今回、ペルーの4000年前の住居を発掘調査していた考古学者グループが、トウモロコシの栽培と加工処理が行われていたことを示す最古の証拠を見つけた。  L Perryたちは、ペルーのコタワシ渓谷上にそびえるCerro Aycano峰の斜面高所にある、ワイヌナという場所で発掘された古代住居跡で、トウモロコシ、ジャガイモ、クズウコンの3つの作物の微小な化石を見つけた。3600〜4000年前のものと思われる小屋の床と、小屋の中で見つかった石器からでんぷんの微小粒とほかの植物性遺物が見つかったのである。  今回の発見で、この地域でトウモロコシが食用にされていた最古の年代は少なくともこれまでより1000年さかのぼることになるとPerryたちは述べている。そのうえ、恐らくクズウコンはワイヌナのような高地では育たないことから、遠く離れた地域から持ち込まれたものと考えられ、農産品を物々交換に使った初期の例である可能性がある。

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